こんにちは。STケアマネのナカマル@NBTKST2222です。
10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。
現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。
このブログでは、介護・医療職が悩みがちな
○臨床(言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下を中心)のこと
○お金に関係すること
○職場の人間関係について
について発信しています。
病院では様々な原因の嚥下障害の患者さんと関わる機会がありますが、その中で「このケースはどのように考えようかな・・・」と悩むケースは多いはず。そこで今回は自分がSTになりたての頃に色々と悩んだケースを少しアレンジしてブログで紹介したいと思います。Sリハ塾のyoutubeにも投稿しているのでそちらも参考にしてみてください!
症例紹介
以下の症例についてみなさんならどのように考えますか?

高齢者の誤嚥性肺炎はいかに早く経口摂取に踏み込むことができるかがポイントとなります。絶食期間が長くなればなるほど経口摂取が出来なくなっていく可能性が高くなってしまう。。。でも急ぎすぎて誤嚥性肺炎を重度化させたくはない。。。非常に悩ましいですよね。
超高齢社会の日本ではこのようなケースはかなり多いと思われます。そのため、このようなケースに対してポイントを整理した上で解説していきます。
ポイント①
アルブミン2.9→施設ではそこそこ食べていた可能性
アルブミン2.9は教科書的には低栄養に該当します。たた、ポイントなのは88歳の高齢者。高齢者であれば正常値より低くても普通に食事ができている人は数多くいます。多少、食事摂取量が少ないことは予測できますが、決して経口摂取が不可能な数値ではなく、最低限、必要な食事摂取はできていた可能性が高いと言えます。個人的にはアルブミン2.5くらいまでは多少少ないながら「そこそこ食べていたのかな」と考えます。
ポイント②
要介護4でペースト食→元々嚥下が良くない可能性
要介護4でペースト食ということは、そもそも嚥下機能が正常ではないことが予測されます。嚥下機能をしっかりと改善してから退院となると元々の能力からしても難しくなります。元々嚥下が良くない可能性を十分考慮しながら早期に経口摂取に移行していく必要性があると思います。
ポイント③
高齢であり、嚥下機能の向上は認めにくい可能性
誤嚥性肺炎診断の患者にやってしまいがちなのは、「嚥下機能が良くなってから経口摂取しましょう」という方針。でも高齢者の場合はそもそも嚥下機能が向上しづらい傾向にあります。そんな中で、絶食期間が長くなれば嚥下機能が向上するどころか、嚥下機能は低下してしまいます。そのため、少しでも経口摂取が出来そうであれば、治療をしながら経口摂取への移行を同時に進めていく必要があります。
まとめ

今回の症例検討のポイントを3つに絞って解説しました。
今回の症例のようなケースを経験している人は案外多いんじゃないかなと思っています。
youtubeやInstagramでも解説をしているのでよかったらそちらも視聴していただけたらと思います。