こんにちは。STケアマネのナカマル@NBTKST2222です。
10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。
現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。
このブログでは、介護・医療職が悩みがちな
○臨床(言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下を中心)のこと
○お金に関係すること
○職場の人間関係について
について発信しています。
今回は嚥下訓練で大活躍のアイテムを紹介したいと思います。定番の物からマイナーなものまで盛りだくさんで紹介します。
筋力トレーニング
「舌圧」って言葉ご存じですか?知らないって方も多いとは思いますが、字の印象から何となく予測がついている方も多いかもしれません。
舌圧をシンプルに説明すると、舌を口の天井に強く押し付ける力の事を指します。この舌圧は嚥下機能においてめちゃくちゃ大事な能力になります。この舌圧は食事形態と比例することが分かっています。
言い換えるなら、舌圧を鍛えることは嚥下機能向上につながり、食事形態のUPにつながるのです。
そんな舌圧を鍛える道具を2つ紹介したいと思います。
ペコパンダ
ペコパンダとは舌圧を鍛える自主トレーニング用の道具です。勿論、自主トレとしてだけでなく病院や介護施設などでスタッフが患者・利用者の方への訓練としても活用できます。商品の使い方はこちらを参考にしていただければと思います。
舌圧を鍛える道具というのは他にもいくつかあるのですが、ペコパンダのいいところは5種類のペコパンダがあり色によって硬さが違います。

舌機能、舌圧を中心に口腔機能研究の情報を発信 お口 の情報室から引用
そして色によって硬さが違うので、舌圧を鍛えてレベルUPするのを自覚することができるのがこの商品の特徴です。また、ペコパンダという名称のように見た目も可愛らしいため、特に女性は使いやすいのではないでしょうか。(逆に言うと、男性は使いたくないという方もいると思います)
ラビリトレーナー
ラビリトレーナーは歯科医師が考えた家庭用トレーニング器具です。こちらも自主訓練として使用することのできる道具です。食事前に行ういわゆる嚥下体操をこのラビリトレーナーで行うラビリン体操を行うことでただ、舌を出したり口を動かしたりするだけよりも効果的に口や舌の筋肉を鍛えることができるのです。

日本歯科大学監修の口腔トレーニング(ラビリン体操)マニュアルが付属でついている点も安心のポイントです。
ポジショニング
ポジショニングは嚥下障害の方にとって非常に大事であり、首の角度や体幹を整えるだけでも誤嚥予防に大きく影響します。ポジショニングを整えるのにこれはおすすめ!の道具を紹介したいと思います。
らくちんゴッくん
らくちんゴッくんは簡単に言うと、誤嚥を予防しやすい枕です。重度の嚥下障害の方になってくると、ベッド上で食事をされるケースが出てきます。
その際大事なのが首の角度なんですが、ベッド上で嚥下障害の方が食べるときに最適な首の角度になるのがこの「らくちんゴッくん」なんです。
普段、寝るときに使用する枕は、基本的に嚥下障害の方がそのまま食事の時に使用するのは不向きです。そのため、嚥下に詳しい方であればタオルを使用したり、枕を2個使ったりして試行錯誤しながら首が開かないようにするんですが、このらくちんゴッくんがあれば頭から首にかけての姿勢がめちゃくちゃ安定します。
嚥下障害の方は姿勢が安定しない方が多いので、このらくちんゴッくんは重宝しますよ。
通常サイズの他、小柄の方やお子さん向けのためのSサイズもあります。
イージースワロー
イージースワローも、らくちんゴッくんと同様に嚥下障害の方に最適な枕です。イージースワローはベッド上やリクライニング車椅子の方に対して、飲み込みやすい姿勢に整えることができます。
イージースワローの特徴は5つ①飲み込みやすい頭頸部姿勢②再現性③微調整が簡単④枕がずり落ちない⑤洗濯・消毒が可能
イージースワローはらくちんゴッくんより、色々とカスタマイズができます。専門職からすると色々と枕の高さを変えたりできるのは心強かったりします。逆に、専門的な知識がないと逆に誤嚥しやすい姿勢になってしまうためデメリットでもあるかもしれません。
咀嚼
咀嚼訓練は噛む必要性の高い食べ物を使って顎を鍛える訓練になりますが、咀嚼訓練に有用なアイテムを2つ紹介したいと思います。
キシリトール咀嚼チェックガム
キシリトール配合のガムは一般の方も愛用している人はいると思いますが、このガムの凄いところは噛んだ回数によってガムの色が変わるところです。

咀嚼訓練の時に悩むのは評価の仕方が難しいところ。どの程度噛んだのか数値化するのが難しく、今行っている訓練で機能が向上しているのかどうかいまいち把握が難しいんですよね。
でも、このキシリトール咀嚼チェックガムなら噛んだ回数に応じてガムの色が変わるので評価がしやすいです。
使い方に関しても特別な使い方ではなく、通常のガムと同じようにただ噛むだけなので咀嚼訓練として非常に使いやすいのではないかと思います。
リカルグミ
リカルグミは、歯科医と歯科衛生士が虫歯と咀嚼力を鍛えるために開発したガムです。固めのグミなので咀嚼力を鍛えるのに最適なグミです。
特にお子さんの噛む力を鍛えるのに非常に使いやすく、これを使用することで歯並びや口臭予防などにもつながると話題です。

勿論、高齢者の咀嚼訓練としても活用できます”!!!
まとめ
今回は誰にでも使える!嚥下訓練で大活躍のアイテム!!ということで摂食・嚥下訓練の時に使えるアイテムを紹介しました。勿論、このほかにもたくさんのアイテムがありますが、比較的誰にでも使用しやすく、購入しやすいものを選択しました。
病院や介護施設、嚥下障害の当事者やそのご家族なども是非、試してほしいと思います。