こんにちは。ST介護士のナカマル@NBTKST2222です。
10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。
現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。
このブログでは、介護・医療職が悩みがちな
○臨床(言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下を中心)のこと
○お金に関係すること
○職場の人間関係について
について発信しています。
今回の内容はサルコペニアと嚥下障害について
サルコペニアって何!?初めて聞いた!って方にも分かりやすく解説したいと思います。
1 サルコペニアとは
「サルコペニア」
聞いたことがない人からすると、めちゃくちゃ覚えにくい横文字ですよね。医療の現場ではかなり浸透してしる用語ですが、介護の現場ではまだまだ知られていない事も多いというのが正直な印象。
なので、まずはサルコペニアって何!?ってところから説明したいと思います。
加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のことを指します。「年取って筋力落ちるの当たり前やん!!」て思う方。その考え間違ってないです。なのでサルぺニアというのは、筋肉量の減少が急激であり日常生活に影響が出た場合はこのような表現をすると思っていただけたらといいと思います。
表現という言い方をしましたが、2016年に国際疾病分類に「サルコペニア」が登録されたため、現在ではは疾患に位置付けられているんですよね。なので、今後医療の現場から介護現場、さらには一般的にもっと広まっていくと思われます。
ちなみにサルコペニアは造語であり、ギリシア語でサルコ(肉・筋肉)、ペニア(現象・消失)からきています。もっとわかりやすい言葉で表してほしいと思った方。その気持ち分かります!笑
2 サルコペニアの評価方法
続いてサルコペニアの評価方法について触れたいと思います。評価方法といっても難しいものはやろうとすら思わなくなってしまうので誰にでもできる簡単なものをいくつか紹介したいと思います。
握力
握力はサルコペニアの診断基準にも含まれ簡易的に評価できる方法の1つです。
男性28kg 女性18kg未満だとサルぺニアの可能性があります。
5回立ち上がりテスト
腕を組んで椅子に座った姿勢から開始して,できるだけ早く5回立ち座りをしてもらうだけの簡単なテストです。椅子とストップウォッチがあれば誰にでもできます。12秒以上かかるようだとサルコペニアを疑います。
①指輪っかテスト
対象の方のふくらはぎの最も太い所が,測定する人の両手の親指と人差し指で作られる指輪周囲よりも大きいかどうか評価する方法。コチラに関しては道具すらいりません。測定する人の手の大きさに左右されるのが難点ですが簡易的な評価としては最も使いやすいかもしれません。
3 サルコペニアと嚥下障害について
ここまででサルコペニアについて何となくわかっていただけたのではないでしょうか。でもここで疑問に思う人がいると思います。サルコペニアと嚥下障害って関係あるの!?
結論から言って「めちゃくちゃ関係あります!」。というか、近年注目されているのがこのサルコペニアが要因の嚥下障害なんです。
何故なら、喉も筋肉でありサルコペニアになると嚥下機能に影響するからです。もっと言うと、嚥下に関係するのは喉だけではありません。口や舌、顎など嚥下に関係する筋肉は多岐にわたります。
これらの筋肉が減少すると嚥下に悪影響を及ぼすのは何となくイメージができるのではないかと思います。ここ5年間だけでも多くの論文や学会でサルコペニアと嚥下障害の関係についての議論が活発なんですよね。
サルコペニアになると疲れやすくなり、食事が十分にとれなくなります。そうすることによりサルコペニアがますます進行して、今度は誤嚥しやすかったり誤嚥性肺炎を起こしやすかったりします。サルコペニアと嚥下障害のループに入ってしまうと脱出するのは容易ではありません。
そのためにも普段からの予防が大事であり、誰にでもできる簡単な嚥下訓練を継続することに意味があります。嚥下訓練の中には筋力トレーニングを主にしている内容も多くあります。以下の内容も参考にしていただけたらと思います。
4 おすすめの書籍
最後にサルコペニアと嚥下障害に関係する書籍をいくつか紹介したいと思います。
①サルコペニアの摂食・嚥下障害
リハ栄養の領域で活躍されている若林先生の本。リハビリスタッフや看護スタッフがサルコペニアと嚥下障害について勉強したいと思う人はまずオススメの本です。基本的な内容を押さえながら分かりやすく解説してあります。知り合いのPTに紹介したら早速購入してめちゃくちゃ絶賛していました。
②介護スタッフにも幅広くおすすめできる本がこちら。食事・栄養管理の視点からサルコペニアの予防について詳しく書いてあり非常に読みやすいです。
まとめ
今回の内容はサルコペニアと嚥下障害について解説しました。聞いたことがあった方もなかった方もこれからは、サルコペニアと言う言葉がもっと広く知られていくことになります。
サルコペニア×嚥下障害は今の医療業界の話題の内容と言っても過言ではありません。このブログを読んで興味を持ったという方が増えてくれると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。