嚥下について

介護・医療スタッフが絶対知るべき摂食・嚥下の情報3選

こんにちは。ST介護士のナカマル@NBTKST2222です。

10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。

現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。

このブログでは、介護・医療職が悩みがちな

○臨床(言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下を中心)のこと

○お金に関係すること

○職場の人間関係について

について発信しています。

今回は、介護・医療スタッフが絶対知るべき摂食・嚥下の情報3選について発信していきます。

1 胃瘻造設している人の7割が経口摂取できる!?

胃瘻とは口から食べることが出来なくなった人に対して手術をして胃から直接栄養を投与する手術を指します。介護や医療従事者であれば多くの人は見たことがあったり実際に関わったことがあると思います。

胃瘻になってしまう多くの原因は嚥下障害により十分に栄養を摂れなくなったことが挙げられますが、全く経口摂取ができないわけではありません。

先行研究の中には胃瘻造設している人の8割は何かしらの経口摂取が可能であったされています。胃瘻造設は経口摂取が難しい人がするものであるのは間違いありませんが、全く経口摂取できない人は案外少ないのです。

自分自身、病院でSTとして胃瘻造設した患者を何人も見てきましたが、ゼリーやプリンを食べたりできる人は一定数いました。

また、嚥下障害の原因が脳卒中の場合は脳卒中ガイドラインに準じて発症から1か月程度で胃瘻造設をした上で嚥下訓練をして経口摂取を目指すケースもあります。

いずれにしろ胃瘻造設しているからと言って全く経口摂取が出来ない人は案外少ないんだということは介護・医療従事者として知っていて損はありませんよね。

2 健康な人でも多く人は唾液を誤嚥している

続いて紹介するのは健康な人の多くは唾液で誤嚥をしているということです。具体的には嚥下障害がない人でも寝ている時に唾液の誤嚥をしているというもの。この記事を読んでいるあなたも寝ている間に唾液の誤嚥をしている可能性は大いにあるということです。

とは言っても唾液の誤嚥をしたからと言って必ず誤嚥性肺炎を起こすわけではありません。

その反面、高齢になればなるほど誤嚥性肺炎の発症率は高くなります。これは嚥下機能そのものが低下して誤嚥する細菌の量が多くなるのと併せてその方の免疫力の低下によって肺炎の発症率が高くなると言われています。

逆に言うと、高齢者であればムセがなくても原則誤嚥しているものと考えるべきということです。健康な人でも誤嚥しているのに高齢者や嚥下障害を抱えている人が誤嚥しなくなるわけではないからです。嚥下訓練のみで誤嚥性肺炎を防ぐことが出来ないことはしっかりと知っておかないといけません。とはいっても嚥下訓練をすることで誤嚥の量を減らす事にはつながるので嚥下訓練そのものにもちゃんと意味があります。

嚥下訓練と併せて口腔ケアを行う事こそが誤嚥性肺炎を予防する上で極めて重要であることは介護・医療従事者として知っておきましょう。

 

3 AIによる嚥下、咳の識別ができる機器がある!?

最後に紹介するのはAIによって嚥下障害を早期発見できる機械についての情報です。

摂食型センサーで測定した嚥下音・呼吸音、むせ回数・嚥下回数、頸部角度、および検温機能など生体からのバイタルデータをモニタリングすることで嚥下障害の早期発見をすることができる機器で名称が「GOKURI」と言います。

嚥下と言うのは外から見ていて確実に分かるわけではありません。そのため、このようなAIによって誤嚥の検出が可能になるのは誤嚥性肺炎を予防する上でも非常に有用です。勿論、「GOKURI」を使えば必ず誤嚥を検出できるわけではありません。

とは言っても、摂食・嚥下の領域で注目を浴びている機器であることは間違いなく今後このような商品がどんどん介護や医療の場に出てくる可能性があることは介護・医療従事者と知て知っておきましょう。

まとめ

今回は介護・医療スタッフが絶対知るべき摂食・嚥下の情報3選について解説しました。摂食・嚥下の領域は今、職種を問わず介護・医療業界のトピックスの1つでもあります。今後、ますます摂食嚥下の知識は職種を問わず必要になってもくるので今回解説した内容はしっかり知っておきましょう。

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ABOUT ME
ナカマル
ナカマル
現在グループホームでST(言語聴覚士)兼介護士として働いているナカマルです。 3か所の急性期~生活期の病院を経験した後に、小規模多機能型居宅介護でST×ケアマネ×介護で働いている。 介護・医療職が悩みがちな臨床・お金・人間関係に関連する記事を発信中。 ツイッター、インスタ、公式LINEもよろしくお願い致します。
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