こんにちは。ST介護士のナカマル@NBTKST2222です。
10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。
現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。
このブログでは、介護・医療職が悩みがちな
○臨床(言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下を中心)のこと
○お金に関係すること
○職場の人間関係について
について発信しています。
今回は誤嚥性肺炎の発症影響されやすい疾患を3つに絞ってそれぞれ解説していきます。
1 脳卒中
2 呼吸器疾患
3 認知症
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1 脳卒中
まず最初に解説するのは脳卒中です。脳卒中とはいわゆる脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血など脳に関する疾患を指します。そして、脳に関する疾患は、身体機能・嚥下機能の運動や感覚に大きな影響を及ぼします。その結果、誤嚥性肺炎の発症に影響するのです。
脳梗塞などを起こすと急性期ではそれなりに高い確率で誤嚥性肺炎を発症する人が一定数います。これは、脳梗塞などの脳に関する疾患の急性期は意識障害を併発するのが理由の1つです。意識障害があることで、唾液や食物の誤嚥を起こしやすいです。また、急性期は意識障害以外でも運動や感覚障害の程度が最も重いため、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
脳卒中の慢性期では嚥下障害の人は急性期と比較するとかなり減少します。とはいっても一定数の方は嚥下障害が残存して誤嚥性肺炎を繰り返す人がいます。
どういう人がそのような傾向にあるかというと、右の脳と左の脳のどちらにも病巣がある方(仮性球麻痺)や脳幹と呼ばれる嚥下や呼吸機能に最も影響されやすい部位を大きく損傷している人です。
脳卒中は病巣の大きさと部位によっても症状が大きく異なるので、仮性球麻痺や病巣が脳幹にある方は長期的に嚥下障害を抱える可能性があるので知っておきましょう。
2 呼吸器疾患
続いて解説するのが呼吸疾患です。代表的な呼吸器疾患は慢性閉塞性肺疾患(COPD)です。
COPDとは気道が閉塞した状態にある慢性の肺胞気道系疾患を総称して言います。この疾患は嚥下障害との関係性が非常に高いことで有名です。なぜ、嚥下障害を併発しやすいのか
①呼吸するだけでも通常よりカロリーを消費して低栄養に陥りやすい
②呼吸機能が低下して咳をする力が弱くなる
③肺の機能そのものが弱くなっておりそもそも肺炎を発症しやすい
などの理由が挙げられます。
誤嚥性肺炎になりやすいかどうかに痰をしっかり喀出ができるかどうかも一つの指標として知られています。
当然、同じCOPDやその他の呼吸器疾患においても重症度があるのでそれほど重くない方は嚥下機能にそれほど影響しない人もいます。
そのため、呼吸器疾患を持っている人の中で上記3つの症状に該当する方が誤嚥性肺炎になりやすいと覚えておきましょう。
3 認知症
3つめに解説するのは認知症です。認知症そのものは直接嚥下障害に影響するものではありません。しかし、中重度の認知症があると
・ムセながらでもかまわず食事をする
・食事形態や水分のトロミの必要性が理解できない
・食事そのものを拒否して食べなくなる
・口腔ケアを十分にできずに口腔内の衛生面を保てない
・意識障害が出たり、ADLが低下してしまっている人が多い
などの理由で結果的に誤嚥性肺炎になる方が多く存在します。
認知症があり、かつ上記の症状がある人は誤嚥性肺炎を発症しやすい傾向にあるので十分注意をしていきましょう。
まとめ
今回は誤嚥性肺炎を発症しやすい疾患について解説しました。今回挙げた疾患以外にも注意すべき疾患はたくさんあります。いずれにしても誤嚥性肺炎を予防するには口腔ケアが大事です。
上記の疾患がある方に対してはしっかりと口腔ケアを行い誤嚥性肺炎の予防に努めましょう。
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