こんにちは。ST介護士のナカマル@NBTKST2222です。
10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。
現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。
このブログでは、介護・医療職が悩みがちな
○臨床(言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下を中心)のこと
○お金に関係すること
○職場の人間関係について
について発信しています。
今回は、以前も書かせていただいた介護スタッフにも知ってほしい摂食・嚥下の用語 第2弾です。
第1弾に関してはこちらをご参照下さい。
1 頸部聴診法
頸部聴診法という言葉を聞いたことあるでしょうか。漢字を見ると何となく想像つくかもしれませんが、簡単に言うと、聴診器で喉の音を聞いて食物の残留がないか確認をする方法のことを指します。
聴診と聞くと、肺の音や心臓の音を聞くものだという印象があると思いますが、喉の音を聞くこともあります。
介護スタッフで喉の音を聞いて「咽頭残留がある」など普段からアセスメントしている方はほぼいないと思いますし、難しいからそんなことはできないと感がてしまう人がほとんどだと思います。
確かに、摂食・嚥下障害の専門家である言語聴覚士であっても頸部聴診は苦手な人も多く現実的に頸部聴診法を用いて詳細なアセスメントを介護スタッフができるかというと難しいと思います。
とはいっても、毎日喉の音を聞くことでいつもの音と違う?と気づくことはできると思います。なのでまずは一度気になる人(嚥下が悪い人の)音を聞いてみましょう。正常な人であれば「すーすー」と呼吸音が聞かれます。ところが嚥下障害で咽頭残留や痰の貯留がある人は「ゴロゴロ」「プツプツ」など違った音が聞かれます。
正常か異常かも大事ですが、いつもと違う音かな?の視点が大事であり、介護スタッフであっても毎日かかさず音を聞くことで「いつもと違う!痰が貯留してそう」「食べ物が喉に残っているかも」と気づくことができるかもしれません。
2 k-point刺激法
嚥下障害のある方の一部は口を強くかみしめてしまし、食事介助や口腔ケアの妨げになることがあります。このように、口を強くかみしめてしまう方に有効なのがk-point刺激法です。

食事や口腔ケアの介助をしたいけど開けてくれないという人に対しては、軽く開いた口に、人差し指をゆっくりと入れ、歯列にそって奥歯の方向にそって指を入れます。このとき噛まれないように十分注意しましょう。
上下の奥歯の突き当たりに辿り着いたら、そのやや内側を刺激するのですがこの部分をk-pointと言います。なかなか口を開けてくれない人に対してはこのk-point刺激法を使ってみてください。
ちなみにk-point刺激法は咀嚼から嚥下反射の誘発にもつながりやすいので、口の中に食物をため込んでしまう方にも試してみてもいいかもしれません。
3 完全側臥位法
誤嚥性肺炎を繰り返している人に対して90度の側臥位で食べる方法があり、その方法を完全側臥位法と言います。
完全側臥位法に関しては以前も記事を書いたことがあるので詳細はこちらをご参照下さい。
完全側臥位法に関しては、言語聴覚士を中心に病院の嚥下訓練の場面で使用されることがH上に増えました。それに伴い、特別養護老人ホームなど重症度の高い嚥下障害の方が入所している施設など介護スタッフが取り組んでいるところも徐々に増えてきています。
横になったまま食べるなんて危なそう!やり方が分からないから怖い!
と思っていても徐々に完全側臥位法が広がっている事実もあり近い将来、あなたがこの手技を用いて食事介助をする日がやってくるかもしれません。
その時のためにも用語だけはしっかり押さえておきましょう。

まとめ
今回介護スタッフにも知ってほしい摂食・嚥下の用語 第2弾 を解説させていただきました。摂食・嚥下の領域は医療・介護業界で最も注目されているトピックスの1つです。
今回解説した用語は第1弾と比較して少し難易度が高く聞いたことのない用語もあったかもしれませんが嚥下のことを勉強していると必ず聞く用語になると思うのでこの機会に覚えておいてください。
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