摂食・嚥下について

嚥下体操の意味について解説

こんにちは。ST介護士のナカマル@NBTKST2222です。

10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。

現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。

このサイトでは、言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下に関係する情報発信をしていきます。

今回は介護施設やデイサービスなどでよく行われるようになった嚥下体操について。何故「パタカラ」の発声をするのか解説します。

 

1 嚥下体操とは!?

2 何故パタカラなのか

3 嚥下体操をより効果的に行う方法

1 嚥下体操とは!?

嚥下体操とは食事やお話をするときに使う舌や口、首の筋肉を動かすことで飲み込みの機能を保つために行う体操を総称して言います。嚥下体操をすることで、今から食事をするという意識を持っていただき意識的に舌や口、首を動かすことで誤嚥を防ぐ目的があります。また、声を出したり口や舌を動かすことで唾液の分泌を促進する効果もあります。

ただ、嚥下体操をしたからといって確実に誤嚥を防げるわけではありません。しかしながら日々、嚥下体操に取り組むことで少なからず飲み込みの機能を維持し食べる楽しみを継続することにつながります。

ところで嚥下体操をする中でよく「パ・タ・カ・ラ」の発声を促すことが多いと思いますが、何故「パ・タ・カ・ラ」なのか説明出来ますか?

 

2 何故パタカラなのか

何故「パ・タ・カ・ラ」なのかは発音の仕方を考えると理由が見えてきます。

パの発音では、唇をしっかりと閉じた状態から勢いよく破裂させるように音を出します。唇の筋力が保たれていないと「パ」の音を作り出すことはできません。つまり、「パ」の音を発声させるのは唇の筋力を維持する目的があるのです。食事をする上でも口をしっかりと閉じることは誤嚥を防ぐことでも非常に重要な役割を果たします。

タの発音では、舌を口蓋(口の中の天井に当たる部分)につけて勢いよく突き放すことで音を出します。こちらは舌の筋肉を保っていないと「タ」の音を作り出すことが出来ません。つまり「タ」の音を発声させるのは舌の筋力を維持する目的があるということです。

カの発音では、軟口蓋(口の中の天井に当たる部分の中でも奥の方)と舌の奥を密着させてそれを勢いよく離すことで音を作り出します。「パ」や「タ」と比べると少しイメージが湧きにくいと思いますが、この軟口蓋と奥舌で「カ」の音を作っているのです。「カ」の発音も飲み込みの機能を保つのに非常に有用です。軟口蓋と奥舌がしっかりと密着することで力強く飲み込むことが出来るからです。

最後にラの発音ですが、ラは口蓋に舌を当てて弾くように音を作ります。「カ」の音の作り方と似ていますが、口蓋に舌を密着させる位置が微妙に違います。「タ」の方がやや前方(唇側に近い)で「ラ」の方がやや後方(喉に近い側)で音を作ります。ただ、舌の筋力を維持するのに効果的なのは「タ」も「ラ」も同じです。

 

3 嚥下体操をより効果的に行う方法

それぞれの音の作り方について解説しましたが、嚥下体操をより効果的に行う方法があります。それは「パ・タ・カ」の発音をした後に「ゴックン‼」と唾を飲みこむことです。唾を飲みこむためには唇や舌、軟口蓋や奥舌をうまく連動させなくてはなりません。「パ・タ・カ」の音を発声させるだけでは飲み込みの機能を保つという点で効果が薄いのです。

また、「ラ」の音に関しては舌の筋力を鍛えるという意味では良いのですが、「パ・タ・カ」で唾を飲みこむのと「パ・タ・カ・ラ」といって唾を飲みこむのでは前者の方がスムーズに唾を飲み込みやすいと言われています。

そのため基本的には「パ・タ・カ」の発音の後に唾を飲みこんでもらうようにして、「ラ」の音は単独で発音してもらうようにしましょう。

 

まとめ

今回は嚥下体操について解説しました。介護の仕事をしていると嚥下体操を聞いたことがあったり実際にやっている人は多いと思いますが、意味を知らなかった方もいたのではないでしょうか?口や舌、軟口蓋の動きをより意識的に動かしてもらい食事を楽しんでもらいましょう。

 

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ABOUT ME
ナカマル
ナカマル
現在グループホームでST(言語聴覚士)兼介護士として働いているナカマルです。 3か所の急性期~生活期の病院を経験した後に、小規模多機能型居宅介護でST×ケアマネ×介護で働いている。 介護・医療職が悩みがちな臨床・お金・人間関係に関連する記事を発信中。 ツイッター、インスタ、公式LINEもよろしくお願い致します。
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