摂食・嚥下について

摂食・嚥下障害に効果のある薬代表3選の紹介

こんにちは。ST介護士のナカマル@NBTKST2222です。

10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。

現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。

このサイトでは、言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下に関係する情報発信をしていきます。

今回は摂食・嚥下障害に効果のある薬の代表3選を紹介します。

1  ACE阻害薬

2  シンメトレル

3  半夏厚朴湯

「文字で読むのはしんどいよー」って方は、ほぼ同じ内容が動画でもあるのでこちらを参照して下さい!

1  ACE阻害薬

ACE阻害薬とは(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)とは本来の役割として血圧を下げる薬の1つです。では何故血圧を下げる薬が嚥下障害の改善につながるのか。

嚥下障害と関係性の高い脳内伝達物質として「サブスタンスP」と「ドーパミン」があります。この2つの脳内伝達物質が減ってしまうと嚥下反射と咳反射が弱くなってしまうです。具体的には咳をする力が弱くなったり飲み込みの力が弱くなりムセやすくなったり。

逆に言うと嚥下障害の人はこの2つの脳内伝達物質が減少している状態なのです。

ACE阻害薬は上記でも伝えた通り血圧を下げる薬ですが、血圧を下げる過程の中で「サブスタンスPとドーパミンの分解を阻害するのです。

すると結果的に咳をする力や飲み込む力が改善して誤嚥性肺炎になりにくくなる可能性があるのです。

ちなみにACE阻害薬を2年間投与した結果、投与しなかった人と比べて肺炎の発生が1/3まで低下したという報告もあります。

2  シンメトレル

シンメトレルの本来の役割としてパーキンソン病と呼ばれる病気の症状を改善する薬です。具体的には手のふるえや筋肉のこわばり動作が遅くなってしまう症状を改善する役割があります。

では何故、シンメトレルが嚥下障害の改善につながるのか。

簡単に言うとシンメトレルは「サブスタンスP」や「ドーパミン」の産生を促すことでパーキンソン病の症状を緩和します。それに伴い嚥下障害の改善にもつながるというわけです。

また、嚥下障害の原因になりやすい脳血管障害でもドーパミンの低下は起きやすいため、このシンメトレルを投与することで嚥下機能の改善に繋がりやすいと言われています。

ちなみに高齢者が誤嚥性肺炎予防としてシンメトレル錠を3年間服用した群と非服用群を比較すると肺炎発生率が1/5に低下したという報告もあります。

3  半夏厚朴湯

漢方薬の中にも嚥下障害の改善に繋がるとされる薬が半夏厚朴湯です。

元々の効能として、気分の塞がりにより胸やのどに違和感を感じたり、咳が出たり、吐き気を催す際に使用される漢方薬です。精神疾患の方に使用することもあります。

半夏厚朴湯に関してもおなじみの「サブスタンスP」「ドーパミン」のが増加することで咳反射・嚥下反射の改善につながり、誤嚥性肺炎の予防につながります。

半夏厚朴湯に関しても投与する場合と非投与の場合を比較した場合に嚥下機能の向上につながり誤嚥性肺炎の減少につながったとされる報告は多くあります。

半夏厚朴湯は他の薬と比較しても嚥下障害の改善に繋がることが最も広く知られている薬でもあります。

 

 

まとめ

今回紹介した薬以外でも嚥下機能の改善や誤嚥性肺炎の予防につながったとされる研究報告はいくつかあります。薬に関しては、飲み合わせなどもありますし必ず主治医の指示に相談・指示に従って服用するようにして下さい。

ABOUT ME
ナカマル
ナカマル
現在グループホームでST(言語聴覚士)兼介護士として働いているナカマルです。 3か所の急性期~生活期の病院を経験した後に、小規模多機能型居宅介護でST×ケアマネ×介護で働いている。 介護・医療職が悩みがちな臨床・お金・人間関係に関連する記事を発信中。 ツイッター、インスタ、公式LINEもよろしくお願い致します。
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