こんにちは。ST介護士のナカマル@NBTKST2222です。
10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。
現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。
このサイトでは、言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下に関係する情報発信をしていきます。
今回は誰でにできる嚥下訓練3つを紹介します。
「文字で読むのはしんどいよー」って方は、ほぼ同じ内容が動画でもあるのでこちらを参照して下さい!
1 ブローイング・ハッフィング
ブローイングとは息をふーっと吹くことを言います。呼吸機能へのアプローチとして結果的に嚥下機能向上にもつなげることができます。
ブローイングの方法としては笛を吹いたり、吹き戻しを使ったり、ストローで水をブクブクしたり色んな工夫の仕方があります。また、ブローイングには強く息を吹くハードブローイングと弱く長く吹くソフトブローイングがあります。
ソフトブローイングは軟口蓋と呼ばれる鼻への逆流を防ぐ部位や唇周囲の筋肉、喉の筋肉など飲み込みに関係する器官を鍛え嚥下機能向上につながることが分かっています。ハードブローイングは瞬間的に強く吹く方法です。嚥下機能の向上により有用なのはソフトブローイングですが、ソフトブローイングが難しい人はハードブローイングから始めてみてもいいと思います。
また、ブローイングと同様に呼吸機能を改善する方法としてハッフィングと呼ばれる方法があります。ハッフィングは開口した状態で声を出さずに「はっ!!」と息を強くことを言います。咳嗽力の向上に非常に効果的であり、誤嚥性肺炎や窒息の予防につながります。視覚的にティッシュペーパーなどを目の前に置いて遠くに動かしてもらうなどの工夫をするとより効果的です。

2 おでこ体操
おでこ体操とはおでこに手を当てた状態で下を向き、手とおでこで拮抗するように力を入れることで喉の筋肉を鍛える方法です。瞬間的に力を入れるより30秒程度力を入れ続けることが大事です。
介護の現場ではよく嚥下体操が行われていると思いますが、このおでこ体操も最近非常に注目されている嚥下訓練の1つです。患者さん・利用者さん自身でしてもいいですし、スタッフが手を当てて患者さん・利用者さんに舌を向いてもらっても効果があります。
出来れば喉にも手を当てて喉に「くっ」と力が入っていることを意識するor意識してもらうことも大事です。
またおでこ体操と似た方法で下顎体操というのもあります。下顎に両手の親指を当てて、舌を向くことでおでこ体操と同じような効果を得ることができます。

3 シャキア・エクササイズ
高齢者にとって少し大変な方法になりますが、シャキア・エクササイズと言われる嚥下訓練もあります。こちらも喉の筋肉を鍛える方法の1つです。仰向けで寝た状態で肩を挙げないように頭だけを起こすようにします。やってもらう方には「自分のへそを見る」イメージを持ってもらいます。シャキア・エクササイズは軽度の嚥下障害の方など比較的元気な方にやってもらってください。
可能であれば1分間くらい頭を挙上し続けるのが理想ですが、できる範囲で行って構わないので1分間が難しい人は時間を短くしてチャレンジしていきましょう。


まとめ
今回伝えた方法はやり方さえわかれば誰にでも行うことができます。気を付けるべきポイントとして高血圧の方は主治医に相談してから行うようにして下さい。また、重度の低栄養状態の方には効果がないどころかかえって逆効果になることもあるので注意しましょう。
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