こんにちは。ST介護士のNAKAMARU@NBTKST2222です。
10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。
現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。
このサイトでは、言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下に関係する情報発信をしていきます。
今回は摂食・嚥下を勉強する人は必ず学ぶ嚥下5期モデルについて解説します。
①嚥下5期モデルとは
摂食嚥下の5期モデルとは、食べたり飲んだりする一連の流れ5段階に分けて分かりやすく説明するために用いられるモデルのことを言います。5つの段階と はそれぞれ「先行期」「準備期」「口腔期」「咽頭期」「食道期」があります。これらの段階を知ることで飲み込む時にどの部分が問題なのかを明らかなにすることができ、それをもとに対策を打つことができます。この5つの段階を知ることは摂食・嚥下を勉強するうえで基本になってくるのでしっかり学びましょう!
②先行期
先行期とは「食べものを認識して口に入れるまでの段階」のことを言います。普段は私たちは食事をするとき無意識のうちに食べ物であることを認識してから口の中に入れています。食べ物じゃないものは口の中に入れないですよね!?認知症や高次脳機能障がいなどで食物の認識ができなくなると食べ物じゃないものを口にしてしまい、最悪の場合窒息につながります。食事をすることの最初の段階は食べ物であることを認識するところから始まっているです。

③準備期
準備期とは「食べものを咀嚼する段階」を指します。先行期で食物を認識した後にその食物を口に入れて「もぐもぐ」と噛む作業があると思います。このもぐもぐの部分が準備期に該当します。この準備期は飲み込むのに非常に大事な段階になります。専門用語で食塊形成と言いますがこの食塊形成が不十分だと誤嚥や窒息の原因にもつながりやすくなります。

④口腔期
口腔期とは「咀嚼した食塊をのどへ送り込む段階」を指します。ごっくんの直前の段階になります。準備期で食塊形成をした後に舌を使って喉の方へ食物を送ります。舌の動きが悪いと喉に送るのがうまくできずに口の中に残りやすくなってしまいます。
⑤咽頭期
咽頭期とは飲み込む瞬間!いわゆる「ごっくん」の段階です。準備期で食塊形成をして、口腔期で喉の奥へ送り込むと後は勝手に反射が起こり自然と食物を飲み込みます。この飲み込みの方を嚥下反射と言います。この嚥下反射は唇や舌、喉の筋力に大きく影響されます。筋力が落ちていれば気管に入ってしまいムセてしまったり、誤嚥してしまうこともあります。

⑥食道期
食道期とは「食塊を食道から胃へ運ぶ段階」です。基本的に飲み込んだ食物は勝手に胃の方へ流れていく(蠕動運動)ので特別意識することはありません。ですが、高齢になるとこの蠕動運動の機能も低下してしまいます。その結果食事中にゲップが出やすかったり食物が逆流してしまう逆流性食道炎になってしまう方もいます。

まとめ
今回紹介した摂食・嚥下の5期モデルは嚥下を勉強する人は必ずと言っていいほど習う基本的な知識の1つになります。この5期モデルを普段食事介助している人に当てはめてみると面白いと思いますよ。
一言で摂食・嚥下障害と言ってもその症状は様々でありどの部分に問題があるかをしっかりと分析するときにこの知識は必須となります。1回で覚えてしまえばそれほど難しくはないので下の図を参考に是非覚えてみてください。

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