こんにちは。ST介護士のNAKAMARU@NBTKST2222です。
10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。
現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。
このサイトでは、言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下に関係する情報発信をしていきます。
今回は、最近耳にすることが多くなってきた「オーラルフレイル」について解説していきます。
①オーラルフレイルとは!?
8020運動という言葉は聞いたことがありますか?
「80歳になっても20本以上歯を残しましょう」という日本歯科医師会が提唱した運動のことです。聞いたことのある人も多いのではないでしょうか?
実はオーラルフレイルも日本歯科医師会が提唱した言葉であり、簡単に説明すると現時点では病気や障害とは言えないまでも、少しずつ口の機能が衰えてきている状態のことを指します。オーラル=口 フレイル=虚弱 という意味なので感じに訳すと何となく意味が分かりやすいと思います。
という意味ですね。オーラルフレイルはそのまま放置すると様々な病気を引き起こしさらに放置すると死亡リスクが通常より2・4倍も高くなるという統計が出ているほど健康状態と密接にかかわっています。
また嚥下障害の予備軍と言った意味もあります。
②オーラルフレイルの気にすべき症状
オーラルフレイルは口の機能低下を指しているので飲み込みや発音に関連した症状が出ます。具体的には
- 食べこぼしが増えた
- 少ししか食事を食べられなくなった
- 固い物が食べにくくなった
- むせることが増えた
- 発音が悪くなった
- 口の中が乾燥する
- 口のニオイがするようになった
等の症状が挙げられます。これらの症状が複数ある場合はオーラルフレイルの可能性があります。
オーラルフレイルのチェック方法として以下のようなツールもあるので是非参考にしてみてください。

③オーラルフレイルの4つの段階
オーラルフレイルはその状態によって大きく4つの段階に分かれます。
オーラルフレイルは、4つのレベルに分けることができます。第1レベルから徐々に始まりっていき、レベルが進行するに従い、全身的なフレイルへの影響も大きくなっていきます。
①第 1 レベル 口の健康リテラシーの低下
例)生活の中で歯を磨く作業をしなくなる
②第2レベル 口のささいなトラブル
例)歯を磨かなくなることで口臭がするようになる
③第3レベル 口の機能低下 (口腔機能低下症)
例)食事中の食べこぼしが増えたり、滑舌が悪くなったりする。
④第4レベル 食べる機能の障がい (摂食・嚥下障害)
例)ムセやすくなったり誤嚥性肺炎を発症してしまう。
オーラルフレイルは可逆性であるため例えば第2レベルまで進行してしまってもしっかりと訓練をすることで第1レベルまで戻ったりオーラルフレイルから脱却することもできます。つまりできるだけ早い段階で何かしらアプローチをすることが重要となります。
④オーラルフレイルの予防
オーラルフレイルを予防するには口や舌の筋肉を鍛えるのが一番有効です。
嚥下体操という言葉を聞いたことがある人もいると思いますが、この嚥下体操を継続することがオーラルフレイルの予防になります。口や舌をしっかりと動かしたり、「パ・タ・カ・ラ」を繰り返し発音することで口腔機能の維持・向上を図ります。
また、硬い食べ物をしっかりと噛んだり、ブクブクうがいをしっかりとしたり、早口言葉を唱えたりするのも効果が期待できます。
まとめ
オーラルフレイルは進行してしまうと様々な病気を引き起こしてしまうのでオーラルフレイのチェックシートを使用して早期発見に努めるのが大事と言えます。また、早めに主治医に相談をしたり、可能であれば歯科衛生士や管理栄養士、言語聴覚士などの専門職とも相談することで解決策を見出すことができるかもしれません。
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