こんにちは。ST介護士のNAKAMARU@NBTKST2222です。
10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。
現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。
このサイトでは、言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下に関係する情報発信をしていきます。
今回は、誰にでも簡単にアセスメントできるツールであるEAT-10の解説をしたいと思います。
①EAT-10とは!?
もともとはアメリカの摂食嚥下障害の評価方法ではありますが日本語版が作成されています。
「Eating Assessment Tool」の頭文字と、質問項目が全部で10個である点から、
略してEAT-10(イートテン)と言われています。
検査の方法としては10個の質問に対してそれぞれ0~4段階で答えてもらい、それぞれの合計点数をもとに飲み込みの状態を把握するというものになります。対象の方は質問に対してしっかりと意思表示のできる方となります。
EAT-10の特徴としては非常に簡易的であり誰にでもできる検査でもあるため介護スタッフや対象者の家族でも容易に使用することができます。特別な道具を使用するわけでもないため、在宅の現場でも使用しやすいアセスメントの方法です。
一方で、大まかに飲み込みの状態を把握するためのものであるためEAT-10単独ではアセスメントとしては不十分です。
② EAT-10の内容
EAT-10の質問の内容は以下の構成となっています。
❶飲み込みの問題が原因となり、体重が減少した
❷飲み込みの原因が外食に行くための障害となっている
❸液体を飲み込む際、余分な努力が必要である
❹固形物を飲み込む際、余分な努力が必要である
❺錠剤を飲み込む際、余分な努力が必要である
❻飲み込むことが苦痛
❼食べる楽しみが飲み込みの問題により影響がある
❽飲み込むときに食べ物が喉に引っかかる
❾食べるときに咳が出る
❿飲み込むことにストレスが大きい
これらの質問に対して
0:全く感じない 1:滅多に感じない 2:時々感じる
3:頻繁に感じる 4:常に感じる を選択し
合計点数が3以上で嚥下障害の可能性があり専門家に相談した方がよいとされています。
③ EAT‐10のデメリット
自覚を問う質問紙であるため認知症があったりして自分の状態を正確に把握することができない人は対象外となります。
また、質問の中には摂食・嚥下以外の部分が大きく影響する内容があります。
例えば❶の質問は入院中で食事の提供がなければ嚥下機能とは関係なく体重が減少することが予測されます。
EAT‐10のみでは摂食・嚥下の評価としては不十分であり水飲みテストや反復唾液のみテスト、嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査などを組み合わせて評価することが必要となります。
まとめ
EAT‐10はアメリカで作成された10個の質問から構成されたアセスメントであり、日本語訳もされています。信頼性や妥当性も検証されており簡便でもあるため非常に使いやすい嚥下評価のツールです。その一方で、対象の方の主観による内容が多いためEAT-10のみではアセスメントとしては不十分であるため他の検査を併用して嚥下障害の早期発見につなげましょう。
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