こんにちは。ST介護士のNAKAMARU@NBTKST2222です。
10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。
現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。
このサイトでは、言語聴覚士の専門の1つである摂食・嚥下に関係する情報発信をしていきます。
今回は、嚥下障害に方にとってとっても大事なアセスメント方法である誰にでもできる水飲みテストについて紹介します!
それでは順番に解説していきます。
①水飲みテストとは
水飲みテストは摂食嚥下障害における スクリーニングテスト の1つです。 その名の通り対象の方にに水を飲んでもらいその時の反応から嚥下機能を大まかに把握するという方法になります。
主に言語聴覚士が行うことが多いのですが、方法そのものは決して難しくはなく簡易的なものになるのでいくつかの注意点さえ気を付ければ誰でも行うことができます。
どういった時に水飲みテストをするかと言うと、一番多いケースはそれまで経口摂取をしていなかった人に対して食事を出すときが多いです。食事を開始する前におおまかに嚥下機能を評価することでどの食事形態を出すかを検討します。
その他に胃瘻造設をしている方に対して経口摂取ができるかの評価として水飲みテストをすることがあります。
②水飲みテストの種類
水飲みテストにはいくつかの種類があります。
より誤嚥リスクが低い方法の順番として
とろみ付き水飲みテスト(LVST)
改定水飲みテスト(MWST)
窪田らの水飲みテスト
100ml水飲みテストがあります。
③水飲みテストの具体的な方法
基本的な方法はその水飲みテストにおいても原則同じです。
方法はそれぞれ決まった量の水を飲んでもらい、飲んだ時の反応を観察します。
それぞれの水飲みテストの判断方法は以下のようになります。




全ての水飲みテストをしないといけないわけではなく、あくまで対象者のレベルに応じて必要な水飲みテストを選択することが必要となります。
また、水飲みテストをした結果が悪かったとしてもそれだけで経口摂取ができないと判断すべきではありません。
④水飲みテストの注意点
注意点はいくつかありますが、主に
意識障害の有無
口腔内の観察
姿勢
の3つに絞って説明していきます。
意識障害
原則として意識障害がある際は水飲みテストの対象外です。何故なら誤嚥のリスクが高いから。ただし、状況によっては軽度の意識障害(JCSⅠ桁)の場合は評価した方がいいこともありますし、重度の意識障害があっても評価可能であることもあります。
口腔内の観察
口腔内の観察をすべき理由はずばり口腔内の汚染がないかを確認するためです。経口摂取ができない人は口腔内が非常に汚染しやすくなります。口腔内が汚染した状態で誤嚥をすると誤嚥性肺炎の発症のリスクが高くなるため、肺炎予防のために必ず口腔内の観察をして汚染がないかを確認しましょう。
姿勢
姿勢に関しては特別決まっているわけではありませんが、食べるときの姿勢で飲んでいただくのが望ましいです。何故なら姿勢は嚥下機能に大きく関わるから。座位で食べたり飲んだりできくてもギャッジアップ30度であればできる人もいます。評価するときは色んな姿勢を試してみるのもいいかもしれません。
まとめ
水飲みテストは嚥下機能を評価するメジャーな方法の1つです。特別な道具を必要とせずにできますし、特別な手技も必要としません。嚥下評価は誤嚥性肺炎の予防に重要であることも先行研究で明らかとなっています。もし、身近にこの人食べれるんじゃないか!?と感じる人がいたら水飲みテストをしてみましょう。(嚥下評価の前には必ず主治医の許可を取ってからするようにしてください)
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